【帰国の二文字が脳裏をよぎる!? 】イタリアで起きた最大の危機
2017/10/28
こんにちは、Miyoです。
今回は、イタリアのフィレンツェで起きた冷や汗モノの体験を書きます。
まずはローマ到着からの旅行記も含めご覧ください。
到着、車椅子泣かせの古都ローマ
フランスでのピエールとの思い出を胸に、ローマでも素敵な出会いを期待して私はパリのオルリー空港からローマ近くのフィウミチーノ空港へ飛びました。
ローマの印象、とにかく暑い・・
私が観光した日は35℃はありました。
そして、肝心の観光地ですが、やはり古都ローマとのことだけあって石畳が最強クラス。
パリもそれなりに石畳がありましたが、なんだこりゃってレベルです。
一つ一つの石畳に隙間が広く開いていて、ボコっと盛り上がっているので毎回前輪がガガガッと引っかかって前に進みにくい・・
これは自力でのローマ観光は無理かなと半ば諦めながらも、トレビの泉行きのバスにまずは乗り込みました。
まずはバスに乗ったら、車椅子スペースに謎の大量のボタン。
カラーリングがスーパーファミコン・・
とにかくイタリア語だし、どれがどのボタンなのかよくわからないから周りの人に聞いてみることにしました。
ベラとの出会い
まずは目の前のカップルに聞いてみた。
彼らも観光者で英語はわかるけど、イタリア語がわからない様子。。
次はイタリア在住のロシア人女性。
彼女はイタリア語がわかるけど英語が全く話せない。。
しかし彼女はGoogle翻訳で一つ一つのボタンの意味を英語で教えてくれました!
うーん、優しい。
海外ではこういう助け合いが日常茶飯事で起こるから本当に気持ちが良いんです。
トレビの泉近くのバス停に停まり、さぁここからは一人で行動だ!
と思ったら、先ほどのイタリア在住ロシア人の女性も一緒に降りてくれました。
「トレビの泉までは一人で行ける?」
そう彼女は聞いてきたので、
「いや、正直行けるかわからないなぁ(石畳的な意味で)」
「じゃあ私が押してってあげる!」
と彼女は笑顔で私の車椅子を押し始めました。
嬉しい反面少し怖くもありました。
なぜなら私はフランスで偽善団体に騙されたばかりだったからです。
もちろん彼女はそんなことは知る事もなく、軽快に石畳の上を駆け抜けていきます。
バス停から5分ほどでトレビの泉に到着。
「ありがとう!助かったよ!」
と伝えると、彼女は他にどこか行きたいところはあるかと私に問いかけます。
「次はパンテオンに行こうかな〜と思ってるよ。」
そう伝えると、彼女はパンテオンに向けてまた私の車椅子を押し始めました。
灼熱のローマ、35℃
ただ歩くだけでもきついのにこんな石畳の上を、汗を流しながら押してくれる彼女に申し訳なく思い始めてきました。
そしてパンテオンに到着し、一通り見て回った後私は彼女をご飯に誘いました。
色々聞いたところ、彼女の名前はベラ。
ハイキングツアーのガイドのような仕事をしていて、バスに乗っていたのは仕事へ向かう途中だったようです。
ご飯を食べていた時点で、すでに仕事開始から3、4時間過ぎていたようで私は彼女にお礼と謝りの言葉を伝えました。
しかし彼女は一切後悔するような表情は見せず、私に一言。
「今日はそんな日だよ♫」
うーむ、なんせイタリア語→英語に翻訳→日本語で表現すると、難しいのですがそんなことを確かに言っていました。
そんな日だよ♫で許されるのはイタリアンスタイル?ロシアンスタイル?
自分の意思で仕事の都合をころっと変えてしまうあたり、日本では考えられません。
「次はどこに行く?」
今日はトレビの泉とパンテオンさえ行ければよかったので、特に予定は決めていませんでした。。
するとベラは、近くにナヴォーナ広場という観光地があるので、そこまで行こうと提案してくれました。
ナヴォーナ広場を一通り散歩して彼女は
「さすがにそろそろ仕事に行くね!もし他にどこか行きたかったら会社に電話くれたら時間見繕ってまた案内するからね!」
とツアー会社の電話番号を私に渡し、フランクに去って行きました。
ああ・・良い人だった・・
実は最後まで何か取られるのではないか?別れ際ツアー代金の請求・・?
と考えてしまった自分が悔しかった・・。
もっと一つ一つの行動に感謝を示しておけばよかった。。
しかしながら良き出会いに感謝!なローマでした。
Google翻訳を駆使して会話をするベラとMiyo
芸術の都 フィレンツェで帰国を覚悟
ローマでの旅を終え、舞台はフィレンツェへ移動。
ローマより若干北に位置しているので少しだけ涼しいんです。
さて、ローマでの素敵な出会いのおかげで前置きが長くなりましたがここからが本番です。
ローマでの激しい石畳よりおとなしめなフィレンツェの路面にほっと胸をなでおろし、軽快に旅を進めていました。
そしてフィレンツェの超有名スポット「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」にでも行こうかなーと思っていた矢先の出来事でした。
あれ・・車椅子が全く動かない。
足元を見ると、右側の前輪が取れてました。。
前輪が、ポロんって道に転がってるんです・・・・・
何が起きてるのか分からない、これは夢なのか・・
5秒程静止したあと
私は自分の頭をフル回転させて、状況把握と対策と今後の人生について考えました。
車椅子屋探す?
自転車屋探す?
日本に電話する?
あのローマの石畳を軽快に駆け抜けたせいで壊れたの・・?
え、もう帰国?
記者会見までしたのにもう終わり・・?
帰国にいくらかかる?
世界一周旅行券の日程調整できるのか?
なんでこんなに色々起こるの?
どうなっちゃうの?俺!!!!!
何か動こうにも車椅子は1ミクロンも前に進まない。
車椅子というのは前輪一つ取れただけで動かないものなのか。
こんなトラブルの最中、私は学びました。
いやいや学んでる場合じゃない。
この後どうするか対策を立てないと。。
私は周りが見えてませんでした。
そんな時に、右前方から声が聞こえてきたのです。
「trouble?」
ハッと我に返って周りを見てみると、一組のファミリーが心配そうにこちらを見ていました。
どうやら英語が苦手なイタリア人家族のようで、私は取れた前輪を指差して現状の説明をしました。
するとパパがどれちょっと見せてみろと車椅子を触る。
「ある程度のパーツは残ってるけど、一つだけネジがないな・・そしてそれを固定するための六角レンチが・・」
みたいなことをジェスチャーと拙い英語で伝えてくれました。
そこからイタリア人ファミリー総出でネジ探し開始。
人力タクシーのお兄さんたちも集まってきて、
「自転車屋はここから5分のところにあるぜ」
などと教えてくれている・・。
そして、ママはそんな助言を聞く前にそこら中のお店を駆け回ってなんとか六角レンチを持ったスポーツ用品店のお兄さんを連れてきてくれました。
さらに子供達が、なくなったネジを発見してくれたようで
少し離れたところで「ウオーーーーーー!」とか言ってはしゃいでいる。
全てが揃ったところで、スポーツ用品店のお兄さんがネジをしっかり締めて、無事修復。
しっかり車椅子が動くことを確認し、私が大きい声で
「Grazie(ありがとう)!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言うとみんな笑顔で歓声をあげてハイタッチして、それぞれの日常に戻って行きました。
私も元々向かっていた大聖堂に向けて一人歩き出しました。
かつて見せた事がないほどの笑顔と、その頬をつたう大粒の涙をぬぐいながら。
旅をしながら起きる出来事や出会いが映画のワンシーンのように、まるですでに仕組まれていたかのごとく毎回ドラマティックでなんだか不思議な感覚。
でもそれはフィクションではなく、生身の自分にダイレクトにぶつかってきている。
だからそこに生まれる笑いや感動、涙はとってもナチュラル。
明日は何が起こるんだろう?
さ、まずは六角レンチ買いに行こうっと。